実験的なもの、ライフワークに等しいもの、下心が動機のものなど、きっかけは様々ですが単独でひとつの作品として成立するように作ったものです。またこのほとんどが私自身の自発的な意志によって作られました。
大学生の頃、オーケストラ作品の習作として書いた曲です。どこまでも広がる海、見渡す限りの平原、木々の生い茂る山…それらは雄大で、優しくて、時に牙をむく、そんなイメージを浮かべながら作曲しました。まだまだ未熟だった頃の(今でも未熟ですが)作品ではありますが…。[収録アルバム:Imagination(2001)]
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大学生の頃、所属するオーケストラの合宿で催される室内楽発表会(みたいなもの)で演奏するために書いた曲。はっきり言ってしまえば私は楽器が巧い方ではないのでソロはその程度ですが、伴奏のピアノは弾いてもらったひとに「これはひとりじゃ無理」といわしめたほどの超絶技巧らしいです(私はピアノが弾けないのでそのあたり不明)。…この曲にかこつけて女の子に伴奏してもらい、練習をしてそれをきっかけに仲良くなろうという邪な気持ちがあったことは否定しませんが、この目論見はあまり成功しなかったことを付け加えておきます。[収録アルバム:Imagination(2001)]
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ひたすらきれいな曲を目指したのですが、やっぱり私らしいというか、少し翳りのある曲になってしまいました。これも邪な考えが作曲動機だったのですが、失敗に終わっています。なお、作曲期間2日(実質3時間)と、私としては驚異的な速度で仕上げています。複雑なオーケストレーションがないということも理由ではありますが…。[収録アルバム:Imagination(2001)]
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本作品の構想は長良川河口堰建設の機運が高まってきた1991年までさかのぼります。一介の高校生の身(当時)ではあるけれど、何とか生態系に影響を与えるばかりでなく治水効果についても疑問を持たれていた河口堰建設に反対する意思表示を行いたい、またその意思を記録しておきたいというのがそもそものきっかけでした。しかし、署名を行うなどもっと直接的な行動を行わなかったのかと考えているうちに、また学校の部活動や大学受験で忙しくなったこともあって終楽章のスケッチを作成した段階でほとんど停止状態になってしまいました。
作曲を再開したのは大学を卒業し、就職した1998年、といっても以前のスケッチも紛失しておりこの時点が本作品の事実上の作曲開始といえます。なお、この曲をつくるための取材を三回行なっていますが、その時に副題を「碧き清流」と決定しました。高速バスの車窓から長良川が「碧」色に見えたことに由来します。
最後になりましたが、取材に協力してくださった「長良川水系・水を守る会」に、この場を借りて感謝の意を表します。
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2002年冬のコミックマーケット63のために作成した曲です。ちょうどこの頃弦楽器のサンプラー素材を入手したので、それを使った習作という意味合いもあります。そういった事情もあり、実際に演奏することはあまり想定せずに作曲しています(とはいえ、そんなに無理はないと思いますが)。収録したシングルCDの解説には、以下のように記しました。一日の終わり。床に就き、今日の出来事をふりかえる。嬉しかったこと、哀しかったこと、辛かったこと…。明日はよりよき日であることを願いつつ、意識は薄れゆく。
[収録シングル:まどろみ(2002)]
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大学生の頃ですが、初めてピアノ三重奏という編成の曲を聴いたときえらく衝撃を受けました。「たった三人の奏者で、ここまで豊かな表現ができるんだ」と。以来いつかはピアノ三重奏曲を書いてみたいと思っていたのですがなかなか書く機会もなく(長らく「碧き清流」に取り組んでいましたし)今に至ってようやく一曲仕上げた次第です。とはいってもそれぞれの楽器を演奏できる人に確認をとりながら作曲したわけではないので、一部超絶技巧が含まれている可能性があります。
標題の「哀歌」について。作曲開始時点では直接的な出来事が私の身にあったわけではありません…後になって色々ありました…が、社会全体や私自身の将来に対する不安、にもかかわらず何も行動することができない焦燥感を抱えており、そんな状況で作った作品が悲劇性を持つのはある意味当然。そしてそれにふさわしい標題を考えた結果「哀歌」と名付けました。ですからこの曲は腑甲斐ない作者自身に向けたもの、といえるでしょう。そして、楽章が進むに連れて自身の状況の変化にあわせるように悲劇性が高まっています。
試聴する(各楽章の冒頭一分半程度)1楽章[MP3(1,473,724byte)] 2楽章[MP3(1,495,876byte)] 3楽章[MP3(1,811,435byte)]
「オーケストラによる、小規模な曲」を課題とした作品です。今までの作品が編成も演奏時間も大きなものになりがちだったので、どちらも小さくまとめようと。当初は5楽章構成の予定だったのですが結局3楽章構成となり、更なる規模の圧縮を果たしています。
「セレナーデ」、日本語では「小夜曲」と訳され近現代に於いては自由な型式で作られる事が多くなりました。本作品も自由に作っていますが、「夜」だけは意識しました。日本家屋の縁側でも洋館のテラスでもいいですが、夜の帳が降りた頃に佇んで一日を振り返る、そんな情景を思い浮かべて頂ければ幸いです。
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